哲学
2019年06月23日

実用的哲学のススメ

1,概要

 大人になってから思考力を成長させるにあたって大事なことは何をどう考えるかといことである。そこで今回はその考える源全般を哲学と位置づけ、西洋の哲学の歴史や代表的な考え方から、現代の思想を紹介する。

2,哲学とは

 古くは学問群の総称のことを言い、現代では細分化されていない学問の総称。主に、世界と個体の関わりを研究し思想をもつ。
 ただ、以上の説明は哲学の普遍的事実でしかなく、それぞれの個がどのように捉えているかは加味していない。

3,哲学の歴史

 哲学は主に欧米で展開した知的活動といえる。

 その起源は今から約2500年前であり、当地中海の都市国家であるアテナイに現れたソクラテスやプラトン、アリストテレスの三人が哲学の始祖を築いた。彼らによって学問群の総称は哲学と名付けられ以降、学問群が細分化されるまでは全ての学問は哲学として扱われた。

 そうして、少し時が進み、中世になると、哲学は神学の婢となった。同時期にアンセルムスらやロスケリヌスら、アベラール達によって普遍論争が行われた。

 次に、ルネサンスを経て近世になると、デカルトが現れ、近世・近代哲学の枠組みを作った。それをもとに大陸合理論とイギリス経験論が対立し、それをカントが調停した。

ところが、19世紀にはカントを批判するシェリングやヘーゲルなどのドイツ観念論が近代哲学の頂点となった。また、19世紀後半になるとヘーゲルを批判するキルケゴールや今までの哲学を覆すマルクスやフロイト、ニーチェが登場した。

 20世紀には現象学のフッサールや構造主義のレヴィ=ストロース、ポスト構造主義のフーコーが登場した。

 ただ、この「哲学」は言葉こそ西洋で生まれたが、それに相当するような知的活動は西洋に留まらず、あらゆる場所で行われていた。

 古代ギリシャ哲学が登場するはるか前、ペルシアにゾロアスター教が起こりキリスト教に影響を与える。インドには仏教が、中国には儒教が登場した。
 日本においても古事記などから神道の思想をうかがうことが出来る。

 世界各地で行われていた「哲学」の中、なぜ、西洋哲学が席巻したかというと、それは19世紀以降の世界情勢において欧米が覇権を及ぼしたからである。現代では脱植民地化が進み、各地の文化を尊重するワールドフィロソフィーが課題となっている。

 

講師 大西優司

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