数学
2019年06月10日

鳩と考える数学の問題

突然ですが問題です!
 以下のような3m×3mの正方形の内部(周上を含む)に10個の石を投げ入れます。そのとき、間の距離が1.5m未満である2つの石が必ず存在することを示しなさい。

 

 

 

 この問題を見て少し考えた後、多くの人はこう思うのではないでしょうか?

「よぉわからんけど、たぶんそうなるやろ」

 そうなんです!なるんです!実際に図なんか書いてみると必ずそうなります。
 しかし、この問題は“示しなさい”。つまり理由を付けて説明しないといけないのです。さあどうしましょう・・・。

 

 

 一人で考えても思いつかない時は誰かに手伝ってもらいましょう。そうですねぇ・・・じゃあ今回は鳩に手伝ってもらいましょう!!

 

 以下のような巣箱に7羽の鳩を入れるとします。

 

 

 

 

 

6羽目までは1羽につき1つの巣箱がありますよね?しかし7羽目が入ろうと思っても既にすべての巣に鳩が入っていますので、相席になってしまいます。


 このように「n個の箱に(n+1)個以上のものをいれるとき、必ず2つ以上のものが入る箱が1つ以上存在する」ことを「鳩ノ巣原理」といいます。


 この「鳩ノ巣原理」なのですが、中学・高校の教科書には登場しないのですが、知っていれば楽に解けるような問題が入試などで出題されることが、たまにあります。

 

 さて、それでは初めの問題に戻ってみましょう。

 

 

 一辺1mの正方形が9つできるように、縦横に線を引いてみます。そうすると9つの「箱」が出来ました。ここに10個の石(=鳩)を入れようとすると、鳩ノ巣原理より2つ以上の石が入ってしまう正方形(=箱)が1つ以上存在します。

 

 

 

 その正方形の中で2つの石が最も離れている場合、一辺1mの正方形の対角線に当たりますので、三平方の定理(わからない人は調べてね)より、その距離は√2m!
 つまり1.41421356…..m(ヒトヨヒトヨニヒトミゴロと覚えましたよね)ですので、最大でも約1.4mしか離れることができないということになるので、もちろん1.5m未満であるということもできます!

 

 

 

感覚ではわかることでも、きっちり説明するのは難しい。そんなときは鳩のことを思い出してみてください。

塾長 いしき

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