受験
2019年01月15日

大阪府の高校入試について(後編)

 高校入試の合格不合格はどのように決定するのでしょうか?

 

 

 まず、私立入試ですがこちらは各学校の基準により、募集人数や合格基準点が定められますので詳細は各学校の公表するデータや入試過去問題集記載のデータをご覧ください。
 ただ、ひとつ知っていただきたい点としまして、募集人数=合格者数“ではない”ということです。よく、募集人数/出願者数を求人倍率として算出する場合があるのですが、私立入試の場合、募集人数にかかわらず何名に合格を出すのかは学校側で自由に決定できますので募集人数から算出した倍率が高いからと言って必ずしも合格が難しいとは限りません(もちろん、厳格に定員・基準点を遵守する学校もあります。)

 

 

 次に公立入試ですが、少しややこしい仕組みになっています。
 まず、合否判定の総合点は学力検査(当日の入試)の点と調査書(通知表)の点数の合計で決まり、特別選抜の場合、計450点、一般選抜の場合、計900点満点であり、学力検査と調査書の比率が学校ごとに5つのタイプから決められています。

 

 学力検査は英語、数学、国語、理科、社会の5教科が各90点満点(特別選抜は45点満点)であり、そのうち英語、国語、数学に関しては問題の難易度がA問題B問題C問題の3段階(特別選抜はA・Bの2段階)に分かれています。ですので、C問題が採用されている高偏差値帯の学校を受験する場合は、かなり高難度の問題を早く正確に解く力が求められますし、逆にA問題が採用されている場合、他受験生も高得点を取ってくることが予想されますので、確実に一定以上の点数を安定して獲得できることが求められます。また、英語のリスニングテストの配点・時間も以前より多く設定されています。
 対して理科・社会は全学校同一問題ですので、基本的な内容と発展的な内容が混在するような問題作りがせれていますので、自分の得意苦手な問題、または合格のために必要な得点を理解して、問題の取捨選択や時間配分を戦略的に行うことが必須となってきます。

 調査書点は、9教科を5段階で評価したものに各学年ごとに倍率がかけられ(1年:2年:3年=1:1:3)算出されます。この中には中学2年時、3年時のチャレンジテストの結果も加味されてます。

 このようにして決定した学力検査と調査書の得点に、上記の通り学校ごとに決まった比率(7:3~3:7まで)がかけられて総合点が決定します。

 

 一般選抜と、特別選抜のうち実技検査を実施する学校(学科)は、まず入学希望者のうち総合点の高い順に募集人数の110%に相当する者を(Ⅰ)群とします。その(Ⅰ)群のうち上位90%の者は合格となります。そして、残りの(Ⅰ)群のうち合格が決まっていない者を(Ⅱ)群として再度考査をします(この(Ⅱ)群のことをボーダーラインと呼ぶ)。
(Ⅱ)群のうち、自己申告書・調査書の内容が、各学校が求める人物像(アドミッションポリシー)ときわめて一致する者を優先的に合格者とし、その上で募集人数に達していない場合残りの者から総合点の高い順に合格者を決定します。
まとめて簡単な言い方をしてしまうと「基本的には得点の上位を合格にするけど、ギリギリの場合は、ちょっと点数低くても、うちの学校に合う人を優先して合格にするよ」といった感じです。
 特別選抜のうち面接を実施する学校(学科)はまず、学力検査の成績が、府教委が定める基準に達したものから各学校のアドミッションポリシーに最も適合する者から順に50%の合格者を決定します。そして残りを総合点の高い順から順に合格とします。
こちらも簡単にまとめますと「最低限の得点さえ取ってくれたら、面接や自己申告書の結果がうちの学校に合う人を優先的に合格にするよ。残りは点数の高い順に合格にするよ」といった感じです。

 

 

塾長 いしき

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