義務教育では習わない数学を大人だから学ぶ

第25回 日本数学オリンピック予選 第二問より

~6000の正の約数であって平方数ではないものはいくつあるか~

 

記念すべき第一回目の問題は平方数の問題です。難易度は平易で、おそらく数学オリンピックでの正答率は100%でしょう。

しかし、数学的思考力を養うにあたっては非常にわかりやすく良問であるといえるので数学初心者の方も以下の6題を解き、数学的思考とはどういうものかを段階的に理解しましょう。

 

今日は以下のうち6番目の問いを解説します。

 

1.204を素因数分解しなさい。

2.50の正の約数をすべて答えなさい。

3.50の正の約数の個数を求めなさい。

4.を簡単な形に直しなさい。

5.50の正の約数かつ平方数はいくつあるか。

6.6000の正の約数であって平方数ではないものはいくつあるか。

 

6.6000の正の約数であって平方数ではないものはいくつあるか。

 日本数学オリンピック予選の問題です。簡単とはいえ良問なのでしっかりと問題を解いて数学的思考力を養いましょう。

 そして、この問題を見たときに面倒だと思わないでください。一つ一つの定義をしっかりと理解していれば暗算で解けます。この問題を見たときに面倒だと思った方は問5から解きなおしましょう。

 

 まずは6000を素因数分解し、約数と考えられる指数を文字で表しましょう。

              24×31×53

2a×3b×5c (a=0,1,2,3,4  b=0,1  c=0,1,2,3)

 となります。

 

 この中で平方数になる指数の選び方は

              a=0,2,4  b=0  c=0,2

 となります。

 

 これらは同時に起こり得るので選び方の総数は積の法則より

3×1×2=6

 となります。

 

 ただ、今回の問題で求められているのは平方数では「ない」ものの個数です。このとき、「約数の総数から平方数を引くと平方数ではないものが残る」という集合論的な考え方を持ちましょう。

 数学は問題や言葉を「全く同じ意味で」どう言い換えることが出来るのかが求められる局面が多々あります。この問題も平方数ではないものを探してしまうととんでもないことになります。なぜなら、6000の約数で、平方数はたった6個しかなかったからです。平方数以外の数字が多い可能性は非常に高いですよね。なので、ここは約数の総数から平方数を引いて問題を解きましょう。

 

 そうすると、6000の約数の総数を求めなければなりません。

 

 約数の総数の指数の選び方は

a=0,1,2,3,4  b=0,1  c=0,1,2,3

 となり、これらは同時に起こり得るので選び方の総数は積の法則より

              5×2×4=40

 となります。

 

 40通りの中で平方数は6通りしかないため、平方数ではないものの個数は

              40-6=34

 となります。

 

 なので、答えは34個と言えます。

○まとめ

 短く平易な問題ながらも、数学的な思考力を養ううえで非常にわかりやすく、学びやすい問題だったと思います。現行の義務教育を終えた方から見ると私の解き方はかなりまどろっこしくて答えから遠く感じたかもしれません。ただ、そのまどろっこしさの中には難しい問題を解くためのエッセンスがたくさん詰まっているのです。簡単とはいえ日本数学オリンピック予選の問題です。猪突猛進で解くならばきっと力技で解いてしまうでしょう。まずは定義から解法を見極め、問題を解く練習をしていれば実は暗算で解けてしまう問題なんですね。そのためには、パターンで解法を把握するのではなく、「定義からパターンを把握する」必要があります。そういった能力を身につけて、楽しく数学に挑戦してもらえればと思います。

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