音楽
2018年06月23日

街からCDが消える? 2

前回の記事で、音楽の視聴媒体の変化について書きました。
CDで音楽を聴く時代からスマートフォンを使ってダウンロードと視聴を一手にこなしてしまう時代が到来したのです。

そういった変遷の過程で、ミュージシャン達が自身の音楽を宣伝・普及させる手段として用い始めたのが、Google社の所有・運営する動画共有サイト「YouTube」です。
現在多くのミュージシャン・アーティストが自らの作品を動画化したり、または宣伝用動画をアップロードしたりと、宣伝活動を多角的にしています。
消費者としても、自分の好きなアーティストのミュージックビデオを手軽に見ることができたり、またその曲がどのようなものなのかを知り合いに紹介するのも簡単になったりするので、便利になった側面が強いと言えるでしょう。
音楽はそれ専用のアプリケーションを使わなくとも聴ける、素人でも手軽に配信できる時代になったということにもなります。

今回の話の中心となるのは、メジャーで活躍しているミュージシャンではなく、ネット上で活動しているミュージシャンです。
ここでのネットミュージシャンとは、ネットワークを介して自身が作成した音楽を配信することを中心として活動している人たちのことを指します。

ネットミュージックが広く知られたきっかけの一つに、ヤマハ社が開発した「VOCALOID」という音声合成技術・製品の誕生があります。
これは、メロディーと歌詞を入力することで、人の声をサンプリングした音声が合成され、素人でも音楽が自作できる、というものです。
そして、その完成された音源を公表する場こそがYouTubeやniconico(前:ニコニコ動画)など前述した動画共有サイトなのです。2007年のソフトウェア発売以来人気を伸ばし続け、そこで動画をアップロードしていた製作者が、今や世界で活躍する作曲者になっているケースもあるのです。

またその派生として、VOCALOID楽曲のインストを利用し、自分で歌った音源を作成する「歌い手」の出現、曲の根幹は残しつつ一風変わった曲調に変えていく「リミックス」などネットミュージシャンにとって活動の幅を広げるという副産物も生み、後の世界で活躍するメジャーアーティストの輩出に一役買っています。

2016年には松崎しげるさんがVOCALOIDの楽曲を歌って発売するなど、その知名度自体が格段に上がっています。
最早、ネットミュージックの先駆けとも言える存在が残していった功績は非常に大きく、音楽活動の入り口を広げるのにこれからも多大な影響を与えてくれることでしょう。
いつか、歌手としても世界的に活躍するアーティストも輩出される日が来るかもしれませんね。

木ノ本雄大

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